じさまが、大切に大切に思っているちいさな孫。
豆太は、黒くそびえる木は、夜中は別物に見えて
一人でおしっこにゆくこともできない。
冬の初めだと言うのに、布団一枚で片寄せて眠るじさまと豆太。
そんなある晩、急病で苦しむじさまを見て、ふもとのお医者様へ
かけだした豆太は、愛するじさまを失うかもしれない怖さで、
もうほかのことは何も見えていない。
初めて読んだときは、じさまが死ぬのではないかと気が気ではありませんでした。
家に着いたとき、豆太は勇気あるものだけが見る、もちもちの木に灯る明かりを見ます。
滝平次郎の切り絵もお話も、素敵です。