いたずらもののたぬきは、村人達に「五呂八大明神」と呼ばれている。
その村に鉄道が通ることになり、みんなが汽車を見に集まる。
生まれて初めて「汽車」をみる村人は、
本物の「汽車」をごろはちのいたずらだと思って、線路上を歩いていく。
ごろはちは、村人達の命を救おうと、走ってくる「汽車」の前に立ちはだかって・・・・。
いたずらはするけど憎めないたぬきと、文明開化の頃の村人たちの大らかさ。
胸が締め付けられるようなストーリーにも関わらず、明るくユーモアのある語りに救われる。
きつねの親子の絵本『こんこんさまに さしあげそうろう』と共に、
自然の中で生きる動物達との共存への思いを伝える絵本だ。