息子にと思って図書館で借りて読みました。
ウクライナの話で、絵からも文化背景が感じられます。
感動したのは、いぬとおおかみの「男の」友情。歳を取って飼い主から追い出されたいぬが、おおかみの手助けでもとの家に戻れる、いぬはおおかみにそのお礼をする、というあまり複雑には見えない内容なのですが・・・。
いぬが家に戻れるよう、おおかみが提案したことは、飼い主の人間を騙すこと。いぬがお返しをしようと思っておおかみを結婚式の宴にこっそり呼んだのも、飼い主に隠れて。おおかみが酔って歌い出したために、いぬはおおかみを大急ぎで追い出しますが、ここでも、いぬがおおかみを退治したと人間に思わせるのです。
綺麗ごとじゃないのです。
犬は生きるために必死なんです。そんな中で、信頼できる友がいる。おおかみも愉快です。人間にばれるからやめときゃいいのに、我慢できずに歌い出す。
2歳になったばかりの息子は話の細部はまだ理解していないように見えますが、おおかみが歌い出すところ、人間から逃げるところが大好きです。そして、寝る前に「むかしむかしやって。いぬとおおかみやって!」とせがみます。熱い汗臭いこの話に、魅力を感じているのでしょう。
いぬとおおかみからは、嬉しいことがあっても悲しいことがあっても友達とウォッカをあおる、そんなスラヴの男を感じます。うちの息子はどんな男になるのかな。