このお話は、映画でもありましたよね。これは、本当にあったお話だそうです。
そう思って読むせいか、途中から、胸がつまって、普通に読めなくなりました。
戦争中、もし、爆弾が動物園に落ちて、おりが壊れ、猛獣が逃げてしまったら?
そんな危険性を考えて、たくさんの動物が殺されました。上野動物園のゾウもその中の1つでした。
でも、ゾウは、賢い上、体も大きい。毒入りの食べ物を食べさせようとしても食べない、毒液を注射しようとしても、皮膚が硬くて注射針が入らない。
そこで、食べ物を与えずに、餓死させる方法が取られました。
ゾウはやせ細り、立てないほど弱った体を持ち上げて、芸をし、飼育員にえさをねだりました。
死ぬ時も、おりにもたれ、高く鼻をもたげて、ばんざいの芸をした格好でなくなりました。
何の罪もない動物たちが、こうやって殺されなければならなかったということ、たくさんの命が無残にも奪われていったのだということは、やっぱり忘れてはいけないことです。
4歳の息子と7歳の娘は、「戦争」も「爆弾」もわかりません。
「かわいそう。」「なんで殺されちゃったの?」「なんでみんな死んじゃったの?」って。
でも、もう少し大きくなったら、また読んで聞かせようと思います。