このシリーズは繊細な絵と仲良し大家族が生き生きと描かれているので、親子共々好きで、息子は扉のページの「おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そしてきょうだい10ぴき!」をいつも元気に言ってから読み始めます。
それにしても、この本は少々大人にはショッキング。なぜなら、人間におうちを壊されたと思しき14匹が、新しいおうちを探しに出るところから始まるからです(思わず涙ぐんでしまいました)。そこのところはお話では語られませんが、周辺の木々はチェーンソーのようなもので伐材されています。なので、子供の「どうしてお引越しするの?」の疑問に答えなければならないのは辛いですね。
それから、途中でいたちやふくろうに出会ったとき、どうして隠れたり、夜を徹して見張らなければならないのか、を説明するのも難しいです。自然界はそうした食物連鎖から成り立っている、鳥は虫やねずみを食べるし、鳥はもっと大きな動物に食べられる、ということを説明するのですが、やはりまだ難しいようで、分かったような分からないような顔をしています。それでも、こうしたことを小さなうちから知っているのと知らないのとでは違ってくると思いますし、人間である以上、自然を壊さずには生きられない部分はあるとしても、自然界の一員として自然を大切にする大切さを理解できる人になって欲しいと思います。
本当にいろいろと考えさせられてしまう1冊です。