この本は何度か読む機会がありましたが、内容が心の中にスッと入ってきたのは、今回が初めてです。一貫して伝えているのは、命の尊さ、すべての人や生物の命は尊くて、すべてが大切にされなくてはいけないということ。
リトルブッダは、いじわるなことをする人の中にも優しさが宿っていることを信じて、その人が優しさに気付くように祈るのです。すべての人の心に、優しさや思いやりが宿っているのを正直信じられなかった時期もあり、この本に書いてあることは偽善ではないかと遠ざけていた時期もありました。
ただ、子どもが生まれてから思うこと、子どもの頃はどんな子どもでも同じスタートラインに立ち、優しい心を持っている。それなのに、どこからか間違っていってしまう場合もあることを思うと、悲しくなります。そういう場合でも、リトルブッダのように、すべての人の心の中には優しさや思いやりがあることを信じたいなと思います。
私たち大人は子どもに何ができるのか、子どもに出会えたことを感謝すること、子どもの優しさに気付くこと、子どもに優しい言葉をかけること、私ができることは身近な人々を大切にすることですが、自分自身も優しさを忘れそうになった時に、この絵本を読んで自分の中にある優しさを確認したいと思います。
人の善意が信じられなくなっている時代だからこそ、「リトルブッダ」のような絵本は大切だと思います。