中国の殷王朝時代の青銅器を見た作者が考えたお話なのだとか。
絵の迫力やスケールの壮大さが物語を引き立てていました。
つい母親目線でみてしまい、トラと人、両方の母の気持ちを思うと切なくなります…。ウェン王子の立派に成長された姿に少しは救われるのかもしれませんが。
しかしなにより、王子の立場から考えると、心情はいかに複雑か。母トラの傷を見つけたときなどはとくに苦しかったことでしょう。
王子が盾となりトラを守るシーンや城へ戻る前の別れのシーンでは、母トラとの深い絆を感じました。後々、自分の子を自分と同じように育てようとすることも、母トラに対する信頼関係のあらわれです。愛ある子育てに人や動物という隔たりはないのだろうなと考えさせられました。