なんともわかりやすいタイトルやな。
そやけど、そのままやんけ、これ犬の話やろ。
この絵本を作ったのは、自称人形いたずら作家のペク・ヒナさん。韓国の絵本作家さん。
この人の絵本は独特やけど、独特というのはほめ言葉で、とっても力強い。
読んでて、力が湧いてくる。
というか、自分も人間やなと納得してしまう、そんな絵本や。
そやけど、これは犬の話やから、自分も犬やなと納得することはない。
グスリという雑種の犬が「ぼく」や。
何しろグスリのオカン(母親)はこのあたりのボスママで、ぎょうさん子供を産んでいるからグスリの異父兄弟はたくさんいる。
その数、なんと、数数えるのがじゃまくさくなるほどたくさん。
それをペク・ヒナさんは人形で作ったんやから、すごいな。
なかなかできへん。
そのページ見てるだけでも、感心してまう。
それにペクさんの人形のオモロイとこは、人間の造形。
グスリの今の飼い主、おとうさんも、その子のドンドンも、それにおばあちゃんも、こんな人たちおらんはずやのに、きっとその辺にいそうに思えるのがけったいや。
だけど、ホンマなんや。
そういう、どこにでもいないはずなのに、いそうというのが、ペクさんの絵本の面白さちゃうやろか。
そんなペクさんの絵本に長谷川義史さんの関西弁がこれまたよう合ってるんや。
関西弁にも生きる強さみたいなもんあるやん。
だから、ペクさんの絵本に合うんとちがうんかな。