たくさんの人と仲良しになりたい赤オニ。
そんな彼に協力しようと一役買って出た青オニ。
人間と仲良くなれた代償は……?
何が本当の友情か。ということを問いかける作品ですね。
広く浅い関係か、狭く深い友情か。
本当なら広く深く付き合えれば一番良いのだろうけれど、人間(オニも)そんなに器用には生きられませんから。
自分の欲しかったものと手に入れたことで、すぐそばに居る大切な人を失ってしまった赤オニ。
何かを求めて、その代わりに何かを失う。
それがある種のルールです。(絶対ではないでしょうが)
失ってから気が付いたのでは遅いんです。
どこに行ってしまったのか、消えてしまったのかなんて分かるわけもないのだから。
青オニの優しすぎる故の結末なんでしょうか。
でも「友だち思い」と「優しい」は似て非なる言葉ですね。
「がまくんとかえるくん」のような友情もあり。
「赤オニと青オニ」のような友情もあり。
どんな関係でどんな風に続いていくのかは、互い次第です。
もし子供ができたら、友だちといる幸せと共に、失う恐さも知っておいてほしいなと、この絵本を読んで感じました。