子供の頃に読んでいた雑誌にはよくなぞなぞが載っていました。
例えば、こんな問題。
「上は洪水、下は大火事、なーんだ?」。
答えは「お風呂」ですが、昔は薪でお風呂を沸かしていましたから、当時の子供たちにはイメージしやすかったかもしれません。
なぞなぞは大昔からあって、有名なのはスフィンクスが旅人に問いかけたものといいますから、まさに人類の歴史と重なります。
ちなみにスフィンクスのなぞなぞは「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。なーんだ?」。
答えは「人間」。
朝は赤ん坊のハイハイの姿で、夕方の三本足は杖をついている姿です。
こんなふうに、うまいなぞなぞはウィットに富んでいます。
この絵本は詩人の谷川俊太郎さんがこしらえてなぞなぞ集。
奇数のページに問題があって、偶数のページには答えが載っています。
例えば、こんな問題。
「せかいじゅう どこにいっても よっつある/かせいにいっても あるのかな?」
なぞなぞとしては、前段だけで成立していますが、後半をつけることで谷川さんの柔らかな文章になっているのがいい。
なぞなぞ的には「なーんだ?」といれたいところですが。
答えを書いてしまうのはよくないですが、よくできたなぞなぞなので、これだけは(文末に)書いておきます。
ひとつひとつのなぞなぞとその答えに、あべ弘士さんの絵がついています。
もちろん、問いについたあべさんの絵を見ても、残念ながら答えはわかりません。
(文中のなぞなぞの答え:東西南北)