ナンセンス絵本ですが、奥が深くて唸ってしまいました。
一目小僧のいっちゃんは、周りから「片目、片目」とはやされて、劣等感の塊のような生き方をしています。
のっぺらぼうのののちゃんは、何を言われようと平然と暮らしています。
目がふたつある子どもたちと一緒に学校生活を送っている二人は、気持ちが全く違うのです。
生まれながらに一つ目だったり、のっぺらぼうだったりした子は、障がい児と呼ばれます。
共に行きていく社会を、インクルーシブ社会と言います。
社会におけるマイノリティの心が自由であるためには、どうしたら良いのかというところまで感じさせられる絵本でした。
子どもたちは絵空事として通り過ぎるかも知れません。
でも、私は社会の中に、「一目小僧」や「のっぺらぼう」に象徴される人たちがいることも知りました。
このナンセンス絵本が奥深いのは、この二人がそれぞれの生き方について語っているからでしょうか。