数々の楽しい絵本を書かれている長谷川さんですが、この絵本はずっしり重いテーマです。
表紙やタイトルからはそのテーマはうかがえないぶん、読み進めていったときの衝撃は大きいです。
冒頭は、ごくごく日常的な風景からはじまります。
「○○が△△しているとき、□□では・・・」
という形で、同じ瞬間に別の場所では人々が何をしているのかが伝えられていきます。
日本国内では、子ども達はみんな食事をしたりトイレにいったり習い事をしていたり・・・と、我々が見慣れた生活ぶり。
それが別の国では全く状況が異なるのです。
おなじ子どもなのに、一生懸命働いていたり・・・戦争の真っ最中におかれた子どももいるのです。
この本では、だからどうしたらいいのかなど、そういう示唆はありません。
ただ、平和に慣れきっている日本人には想像もつかない、そういう世界が実在するんだという事実がつきつけられるのです。
大人が読むと、その意図もしっかり伝わってくる絵本です。
が、子どもには伝わりづらいかもしれません。
我が息子は6歳ですが、まだこの本は読ませていません。
もう少ししっかり理解出来る様になったときに(小学校高学年、あるいはもっと上?)一緒に読んで話をしてみたいと思います。