佐藤さとるさんの幼年童話。
名コンビのの村上勉さんの絵がたっぷりとありますし、30分くらいで読めると思います。
編み物の大好きなおばあさんのおはなし。
ある日、編み物の途中でやってきた蝶の羽根の模様にヒントを得て、
新作に取り掛かったのですが、その編地はなんと浮遊するのです。
ということで、編み物仕様の飛行機を作ってしまうのですね。
椅子と竹ざお、ロープも駆使して、なかなか本格的ですよ。
満月の夜に決行、何て素敵です。
編み物仕様の飛行機、なんて発想にワクワクです。
穏やかな展開で、ファンタジーの域にスルリと移行する世界はやはり見事だと思いました。
初版は1973年。
私がちょうどおばあさんの孫のタツオくん(小1)くらいの時代で、
私には、東京タワーくらいの高さ、だの、団地というイメージが
あの時代そのもので、懐かしく感じました。
ということで、大人が読んでも、きっとあの子ども時代を思い出させてくれて、
心がほっこりしそうです。
むしろ、大人にも読んでほしいですね。
今どきの子どもたちには、少し古風な時代背景ですが、
夢のある展開はきっと永遠だと思います。