「したほうがいいって、なんで?」。
これがわが家の娘の第一の質問でした。「いいことと、わるいことと、両方知っているんだね、いぬうえくんは。彼の気づかいだよ」と答えたのですが、犬と人間の関係が過った私だったように記憶があります。しばらく読むと・・・
「きほんって、な〜に?」と第二の矢
「みんなが確かめ合ってそのつど決めておく大切な事柄かな」と答えながら、やっぱり犬と人間の主従を考えた私だったでしょうか。そしてケンカになるシーン。いぬうえくんが出ていき、くまざわくんが独り切なくなって泣きながら眠りにつく挿絵を見たところで、第三番目の矢が放たれました。
「いぬうえくん、おうちないの?」
「・・・そうだねぇ・・・」独りぽつんと木の下に佇むいぬうえくんを見て、またしても犬と人間のよくない部分を考えさせられた私でした。結局はあっさりと戻ってくる友情みたいなもので、めでたしめでたしとなるのですが、娘いわく「きょうかしょみたい」の締めくくり。
シリーズですが以後、手をつけることはありませんでした。形にできない気持や関係を、強いて何かの型に当てはめようとする向きを嫌がったのかもしれません。私は主人公たちよりも、人間とのしがらみに悩みました、残念ですが。