誰もが知っている『しらゆきひめ』なのに、描かれ方で人間像が変ってしまう不思議を実感する作品です。
嫉妬深いお妃、魔法の鏡、7人の小人たち、毒りんご…、出てくるものは同じなのに、脚色の仕方で雰囲気が大分変ってしまいます。
新鮮な感じがします。
このジョゼフィーン・プールの作品には、緻密さと奥深さがあります。
登場人物の人間性、心象が描かれています。
そして、アンジェロ・バレットの絵。
走る白雪姫、ほとんど人間と同じ背丈の小人たち、白雪姫も大人びていてディズニー・タッチを望む読者には違和感のありそうな描かれ方です。
アニメというよりも実写版。
動きのある、ドラマ性のある絵本です。
それにしても、白雪姫は3度も騙されてしまうのですね。
子どもたちにとっては、別の意味で教育的かもしれません。
少し高学年向きの絵本だと思います。