気持ちのいい春の日に、きつねのきっこはいたちのちいとにいと一緒に山向こうのおばあちゃんの家まで出かけます。おばあちゃんは大きなお鍋でスープを煮ていましたが、からすに呼ばれて、スープの番をきっこに頼んで出かけてしまいました。番をしながら「おなべおなべにえたかな?」と聞くと、お鍋は「コトコトコト にえたかどうだかたべてみよ コト」と答えました。そこで味見をします。そして、何度も味見をしているうちに、とうとうお鍋はからっぽに・・・。番をするきつねのきっこと、大きなお鍋とのやりとりがなんとも、つい口ずさんでしまうくらいにリズミカルです。また、そこに描かれたみんなの表情にも注目です。どのページからも春の香りが届いてきそうです。おなべが空っぽになってしまったときは、とてもどきどき、どうしよう?という感じですが、こどもと一緒に楽しく読める本です。