きつねのきっこちゃんは、おばあちゃんのかわりに、お鍋のスープの番をすることになります。
きっこちゃんと、ちい、にい、の3人で、お鍋の番をする様子が楽しいの。
「おなべ、おなべ、にえたかな?」
すると、お鍋が答えるんですね。
「コトコトコト 煮えたかどうか食べてみよ、コト」
ふたを開けて味見をした後、塩こしょうで味をととのえて、また聞くんですね。
「おなべ、おなべ、にえたかな?」そうすると、お鍋がまた答えるんです。「フツフツフツ、煮えたかどうだか食べてみよ、フツ」
こうして、何度かやり取りしているうちに、おいしいスープが出来あがり、もういっぱい、もういっぱいと、みんなで味見をしているうちに、すっかりスープがなくなってしまう。
しかも、空になったお鍋からは、煙が出てきて、こげつきそうになるんです。
お鍋の指示で、みんなで鍋に水をくみ、ざるにあったお豆を入れたきっこちゃん。
かえってきたおばあちゃんが、お鍋の蓋を開けたみたら、煮ていたはずのにんじんスープが、なんと、たんぽぽ入りの豆スープになっているんです。
お鍋の表情がなんともいえずすてきです。
きつねのきっこちゃんたちと、お鍋とのやり取りがとても楽しく、子供たちも「おいしいお話」は大好きです。