まず手にとった理由が、このあたたかーな絵です。
外は吹雪、だけど穴のなかは母の温もりに満ち満ちて、生まれたばかりの坊やが安心して身を寄せている。
土のなかで繰り返しさまざまな音に耳をかたむける坊や、それにいちいち優しく答えてやるかあさん。そんなことを繰り返すうちに音はだんだん春らしくなってきます。
最近4歳前の娘によく言うのですが、目だけでなく鼻や耳からの情報も大切だよと。
特に交通ルールを教える時に言っています。信号機だけでなく、(それでも暴走してくる輩はいるのだし)常に耳をそばだてておきなさい。そんな風に教えています。
街中に住んでいるとどうしても耳や鼻を使う機会が減ると思います。私も山際からこちらへ引っ越してきて、季節の訪れはもちろん、日常的に耳や鼻で確かめるということが激減しました。寂しいことです。
どうか静かな冬の夜、お子様と身を寄せ合い耳を澄ませながら読み聞かせてみてください。忘れていた春の足音が聞こえませんか。