兄が戦争へ行った・・・ というくだりはあるのに、全体的には父と子が村で沢山収穫出来た果物を売りに行くというお話。
村が花でいっぱいになる春。
美味しい果物が沢山収穫出来る夏。
大きな広場にも戦争の影はなく、どうやったらさくらんぼが売れるかななんて、穏やかな雰囲気に包まれています。
戦争とはいっても、遠い場所での話で、自分達にはどこか遠い話なのだろうな・・・と感じさせます。
それが最後の1ページに、戦争が自分の身に降りかかったことを告げる文章がたった三行で表現されています。
物語のあまりにもあっけない最後は、戦争がすべてを一瞬で奪っていったことを物語っているようにも感じられます。
ただ、あまりにもあっけない幕切れなので、子供には分かりにくいかな・・・と感じました。