この本を読んで、「火垂るの墓」がなぜか思い出されました。
空襲によって孤児となり、生きる術をなくしてしまった子供という共通点があるからでしょうか。
お母さんとはぐれた時に助けてくれたおじさんだったり、家まで一緒に行ってくれた近所のおばさん。
ちいちゃんには、助かるチャンスがありました。
お母さんの姿を確認するまで、おじさんが一緒にいてくれたら。
お母さんが帰ってくるまで、おばさんが一緒にいてくれたら。
もしかしたら、ちいちゃんはあんな死に方をしなくて済んだかもしれません。
しかしあの空襲の最中、焼け出された後、大人たちにもそんな余裕はなかったでしょう。
作中ではっきり書かれていませんが、お母さんとお兄ちゃん、そしてお父さんはみんな死んでしまったのでしょうか。
みんな、空に消えてしまったのか。
とても儚く、美しく、そして怖いお話でした。