人生にはたくさんのイベントがあるが、小学生に入学した頃は結構記憶に残るものだ。
つちだのぶこさんのこの絵本に登場するたくさんの「にんきものいちねんせい」のタイプで、そういえば、自分は「おもしろいこといって みんなをわらわせる」芸人みたいなタイプの一年生だったと、思い出したりしている。
では、そのほかにどんなタイプの「にんきもの」があるかというと、まず出てくるのが友だちに大きな声で挨拶する子。みんなを元気にする「にんきもの」だ。
授業中に進んで手をあげ、みんなの前でお話できる子も「にんきもの」だし、休み時間にみんなを誘って遊ぶ子も「にんきもの」。
給食当番の時にてきぱきしたくができる子も、そうじの時間にきれいに片づけができる子も「にんきもの」になっている。
この絵本を見ていると、小学校で子どもたちはさまざまな生活の時間を過ごしていることに気づかされる。
学校は勉強するだけの場ではなく、人と交わることを学ぶ場でもあるのだ。
そして、そのそれぞれの場で、そこで活躍したりみんなの注目を浴びたりする子どもがいる。そういう子どもたちをしっかり見つけてあがることも、先生や親の大事な役目だと思うし、そこで現れる子どもたちの個性をしっかり伸ばせてあげたいものだ。
子どもたちをしっかり見てあげられるおとなこそ、「にんきもの」になれるはずだ。