チェコのむかしばなし。
水の館というのが、何とも不思議な存在です。
川沿いの小さな町の、貧しい家の娘が主人公。
あまりのひもじさに、川に身を投げようとするとは、驚きです。
ところが、水の主、ヴォドニークに水の館に連れていかれるのですね。
食べ物などの面倒を見る代わりに、ヴォドニークに仕えるよう言われた娘。
つぼの中は、決して覗いてはいけないと言いつけられますが、
つい、というのが、スリリングです。
ヴォドニークは緑色の容姿で、河童のような異形ですが、
ある意味、娘を助けていますし、一度は見逃すところなど、その優しさも味わい深いです。
そして、後半、娘の生き抜く力がすごいと思います。
だからこその、平穏なフィナーレが嬉しいです。
チェコらしい昔話に、この地に在住経験のある降矢ななさんが、絵を添えていて、その世界観を体感できますね。
小学生くらいから、娘の生き抜く力、感じてほしいです。