本当に幼い時は、気持ちを言葉で表現することが拙いから、手や足が出てしまう。
泣いたり怒ったり、大声を出したり、そして時間の経過で知らず知らず喧嘩を忘れてしまう。
でも、この作品の主人公の年頃の喧嘩は、気持ちを収めるのも難しくなって来るのでしょうね。
がらんと静かになった運動場にひっくり返っていたら、じわじわ涙がわいてきて、拳で拭ったら、目の内側がかゆくなり、うっすらと目を開けると、まつ毛に涙のまくがかかり、まつ毛の海に、・・・・・・。
なんとも詩的な表現が続きます。
そして現れるクジラのような大きさのさかなの飛行船。
この飛行船の中で、負けた相手をどうしてやろうかと話す主人公の「口惜しさの咀嚼」の場面が可愛らしかった。
どうやら気持ちが収まった頃に、飛行船は、・・・・・。
けんかの数だけ、気持ちの収め方も上手になっていくのではないでしょうか。