けんかに負けて悔しいぼくが、運動場で寝転がっていました。僕のまつげの涙に海が見えます。
「かいぞくオネション」では叱られた子どもが海に行きますが、「まつげの海のひこうせん」は、魚の飛行船に乗ります。けんかした気持ち、それはすぐに消えるものではありませんが、子どものどうしようもないやりきれない気持ち、それが消化していくまでが丁寧に描かれていると思います。
けんかの後の気持ちは、子どもなら誰でも経験するもの。それだけに、身近なお話です。子どもの頃は、気持ちを上手く表現できないものですから、こういう絵本があるといいなと思います。僕のまつげの海に現れた魚がどんどん大きくなっていく様子の絵がとてもきれいだと思いました。
子ども、特に男の子が共感できるお話だと思います。