本を手にした時、その小ささに驚きました。
そして、何とも物騒な題名に、異形の主人公。
それでも、junaidaさんの澄んだ色彩がページを開かせてくれました。
大きな山のてっぺんに佇む巨人と、山のふもとの街。
孤独な巨人が、寂しさに耐えかねて、家を一軒、山のてっぺんに持ち帰ってしまうのです。
その家の家族に一緒に住もうと提案しますが、他の家も持ってきてと言われての顛末。
結局、既存の仲間には入れなかった、ということでしょうか。
気持ちが一人ぼっち、という表現がなんとも心に響きます。
だれからもよばれなかった少年の存在感が愛おしいです。
そして、巨人が手に取った少年の家の大きさにハッとしました。
これって、まさに、この本の大きさではないか、と。
文章もありますが、静かに絵が語る作品。
読者と紡ぐ物語ではないでしょうか。