本の大きさが特徴的な作品。これは、手元に持っておきたいと思わせる大きさ。
ただ、お話自体はとても寂しいものです。
寂しさから逃れたくて、でも、どこまでも寂しさから逃れられなくて。
寂しさと対峙する苦しさ、その扱い方を模索する内容です。
でも、根本的な正解は提示されない。
しかも「だれからも呼ばれなかった少年」の存在も、寂しさを助長する。
集団の中で一人でいる寂しさを、まさに今味わっている子どもは、学校には必ず一定数居る。その大半は大人の目からは見えないところで、その過酷さと戦っているはず。
そういう場所で、軽々しく読み聞かせできる内容ではないです。一人でじっくり読むための本ですし、読み手を選ぶという点で、誰にでもおすすめできるわけではない作品。