シラス丼を美味しくいただいたけれど、器のそこに小さなしらすが1ぴき食べ残されました。
それがゴミとして出されたら、どのような道をたどるのでしょうか。
そのシラスが自分だったらどんな思いでしょう、という疑似体験のような絵本です。
間違いなく、どんなに小さくても命には代わりありません。食べられて本望という気持ちにはなれないけれど、自分が多くの生命の中のひとつであることは間違いありません。
シラスのままで一生を終えたいとは思いませんが、無駄な生き方だったという思いは、虚しすぎます。
写実的な絵本の中で、食育を考えながら、何とすごみのある絵本でしょう。
多くのシラスといっしょに横たわっている少年を、表紙の絵で見たとき、深みにはまってしまいました。