全ページ立ち読み企画で読みました。
期限が切れるまで何度も何度も、最初に戻ったり、1ページ戻ったりと
読みました。どうして、「大人にもお奨め」のジャンルに入るか分かる
ような気がした本でした。
“め”がどろぼうに与えてくれたものは何だったのでしょうか?
やっぱり、それは人間性だろうと思います。
「さびしくなんておもったことはない。
かなしいなんておもったことはない。
それにいちどだってないたことがなかった」どろぼうに、
その乾ききった心に潤いを与えてくれ、愛でる心を植えつけてくれた...
作者の杉川としひろさんの話に、ふくだじゅんこさんが選んだ花の絵が
「白百合」であることがとても意味深いように感じました。
白百合はキリスト教では、キリストやマリアの象徴でもあるし、
もっと単純にその花言葉が「純潔」だからです。
そんなごちゃごちゃした私の勝手な想像は横に置いといても、
最後の最後まで、身を挺して、どろぼうに何かを教えてくれた”め”が
とても崇高なものに感じました。
でも、個人的には、最後にバーンと結末を投げつけられた感じがして、
動揺がたかまり、こんな終わり方ってあり?という気持ちになりました。
5歳の息子なら、きっと、この先、このどろぼうはどうなるの?
と絶対に聞き返したことでしょう。
きっと、他の方がレビューで指摘しているように表紙にもどって
花を植えなおして、平安を取り戻すのでしょうね。
題名を見た時に、きっと更生したどろぼうの話なんだろうなとは
思ったのですが、まさか、きっかけが“め”とは!
奥の深い話です。
やはり小学生以上にお奨めの絵本だと思います。
是非、読んでみてください。