寂しさも悲しさも知らずに盗みをつづけていた泥棒の心に芽生えたやさしさは、一つの鉢のおかげでした。
盗みだしたものが、ただの鉢だと知った泥棒はがっかりしたのですが、ある日鉢から草の芽が出ているのを見て、草を慈しむ心が芽生えました。
草花を慈しむ心が野菜を育てる生きがいを作りました。
そして、人々と喜びを共有するようになるのです。
戦争が人々を襲います。
踏みにじられた畑を見て初めて大声で泣いたどろぼう。
心に響く話。
ふくだじゅんこさんの絵がとてもいい。
泥棒がどうみても悪人には見えません。
もともといい人だったのです。