はじめに感想を言っちゃうと・・・本当に素敵な絵本でした!
子猫たちに飲ませるミルクがなくなってしまったとき、『月に行けばミルクがある』と教えてもらい、月へと向かって懸命に走り続ける母猫のお話。
“月が木に腰をおろす”という表現が、私はとっても気に入りました。一間擬人法かと思いきや、読んでいると分かります、母猫は本当に月が木に腰をおろしていると思っているのです。夜空の月、目の前には大木、猫の目線で見上げると(人間の目線でも同じ)、確かにそう見えますよね。木に登っていくと、月は逃げてしまうし・・・。
母猫の懸命な姿を、月の神秘的な輝きがより一層引き立たせてくれています。
そして最後の最後、夜明けまで頑張った母猫の努力はしっかり実りました。
その結末も、ちょっぴり可笑しいけれど、「よかったね!」って心から思えます。読後感がなんとも心地よい絵本です。