ガレットデロワなんてオサレなお菓子を食べさせたこともないから興味ないかな、と思ったのですが、表紙のお菓子の絵がおいしそうということで「読んで!読んで!」と強くリクエストされ、一緒にページをめくりました。すると、いきなりパイの中に突っ込まれるお人形目線でお話が始まり、子供たちはハートを掴まれっぱなし。ミリーが女の子のピースに取り分けられるのか、ハラハラしながらお話を聞いていました。
ちっちゃなお人形が「誰かを幸せにしてあげられるのかしら」と真剣に思い悩む姿に、私は一番心を奪われました。当たりくじ自身の思いは確かにそうかもしれない、と新鮮に感じましたし、そんなふうに誰かの幸せをていねいに願って作られたお菓子をいただいてみたいものだと思いました。
お正月、おせちのデザートにいただくのだと作者の石井さんがあとがきで書いておられ、それは素敵な習慣だなと思ったので、来年は我が家も!とカレンダーにこそっと書き込んでみました。誰かを幸せにしてあげたいと願う気持ちが育まれるイベントにできたらいいなと思います。