人間と動物が一緒に生活をしているお話はよくありますが、この絵本では、そこに魚が加わっていました。しかし、魚は肺呼吸ができないため、外に出るためには、ヘルメットをかぶってひれにクリームをぬらなくてはいけません。そのため、魚が外の世界に出ていくためには、表紙の絵のようにちょっと変わった格好になってしまいます。そして、それゆえに、苦手なことが出てきてしまいます。
この絵本は、単に「不思議で斬新なお話」として読んでも良いのかもしれません。それでも十分に興味深くおもしろい絵本だと思います。
けれども、もう一歩踏み込んで、この絵本を「究極の多様化した社会、バリアフリーを考える絵本」として読んでみると、考えさせられることが多くありました。
人間もたくさんいる動物種のなかの一種。そのような目線が印象的なお話でした。