ルドウィッヒの“マドレーヌ”シリーズは、何年経って読んでもいつも期待を裏切りません。
初版は1961年(日本では2001年)の作品です。
パリにある蔦の絡まる古いお屋敷に12人の女の子が2列に並んで、シスター(ミス・クラベル)と住んでいるこのお話。
今回はお隣に住んでいたスペイン大使の息子さんぺピートがロンドンへ引越しして行った所からお話が始まります。
友だちと別れ食欲も無く衰弱しきったぺピートを慰め励ます為に、マドレーヌたちは、ロンドンへ飛びます。
ぺピートへのプレゼントを何も持ってこなかったというミス・クラベルに、いとも簡単に「馬をあげよう」と提案するマドレーヌ。
大人の読者には、ミス・クラベルの経済事情やら、受け取る側の迷惑まで、先読みしてしまうのですが、物語は小気味よいほどハッピーな展開に。
何度読んでも、上品なユーモアに溢れる可愛らしい作品です。