鹿撃ちの清十が出会った、言葉をしゃべる鹿は、清十を鹿の祭りに誘います。
生業として鹿を撃つ人間と、撃たれて命を落とす鹿と、その関係が命乞いをした鹿に崩されました。
しかし、本当は言葉をしゃべる鹿は、自分の胆を食べた娘を探している鹿の精霊。
三人の娘との出会い、それぞれが鹿に誘われて鹿の祭りに出かける、不思議な世界が展開されます。
最後に出会ったのが、自分の胆を食べた末娘。
でも、自分の胆が娘の命を助けたのです。
幻想的で、哀しみの中に描かれる物語。
単純に答えを用意していないだけに、切なさが残る作品でした。