モノトーンの絵が、冬の寒さを表現しているのと同時に、登場するものの心のなかの温かさをあらわにしているようでした。
ねこの視点にたった作者の文は、ねこのことがとっても好きなんだなあと思わせる優しさがいっぱいこめられています。読んでいるこちらも、「ねこは、初めての冬・初めての雪を経験して、きっとそう思ってるんだろうなあ」と確信してしまいます。
ねこと子ども達の心が少しずつ近づいていくようすがほほえましかったです。厳寒のなかだったので、野生のねこが家のねこになってよかったなあと思ったり。
ねこは「この家のねこになれてよかったです。」なんて、本のなかでは一言も言っていませんけど、作者の描写とねこや子ども達の表情から、それが汲み取れるのがすばらしいと思いました。
クリスマス前に読めたことも幸運だったと思います。