最初は「風が吹けば桶屋が儲かる」的なお話かと思いましたが、ヤマザキマリさんのあとがきを読み、とても奥が深く考えさせられる絵本だと思いました。
クマの兵士は、自分が切った森の木のせいで、廻り回って自分の住みかが壊されたことに気付きます。
それをすぐに反省し、動物たちに謝罪し、出来る限りのことをしてあげるところが素晴らしいなと思いました。
剣と盾を持っていた手が、小鳥を優しく抱く手に変わったのです。
世の中を見ると、戦争や環境問題、人間の引き起こす様々な問題の多くが、「あいつのせい、こいつのせい」と他人を恨むことに起因しているように感じます。
この絵本は子どもだけでなく、大人の心にも響くお話でした。
異国情緒あふれる美しい挿絵もとても素敵でした。