10歳の息子と読みました。
ちょうど、「領土」について社会で習った息子。
「北方領土」は日本固有の領土です、と教科書には書いてありますが、
「北方領土」という言葉だけは分かっていても、
いったいなにがどうなってそう主張をするようなことになっているのか、
詳しくまでは理解できていなかったようです。
この絵本は、小学校3年生まで実際に択捉島の蘂取村に
住んでいた方の思い出が描かれているものです。
自然豊かで、穏やかで素敵な日々を過ごした蘂取村。
その村からの脱出を余儀なくされて、
以後長いこと故郷に帰れなかったその理由が、
巻頭の解説に描かれています。
息子とは、まず初めに本編を読み、
最後に巻頭の解説を読みました。
島に帰りたいと思っていても、その願いが叶わず亡くなった方がいたこと。
現在では、ビザなし交流というものが行われていること。
教科書に出てくる単語として理解をするのではなく、
「北方領土」をめぐる歴史の流れと現状を心から理解してもらえる
とても素晴らしい一冊です。