涙で絵本を濡らすお母さんの顔が見えます。
母と子の数だけ物語があり、そのすべてがそれぞれのお母さんの宝物です。
22歳で母になった私は初めて抱いた小さな娘を前に戸惑っていました。
「私はこの子をどういうふうに育てていけばいいんだろう……」
五体満足で健康に生まれてきますようにとの願いがかない、小さいながらも元気な娘。
これからは、心を育て、ちゃんと躾けて、人に迷惑をかけないように。
限りない親の希望が湧き出てきました。
そんなある日、ふと気づいたのです。
私にできるのは本をたくさん読んであげて、本の好きな子に育てることしかないということに。
本が私にたくさんのことを教えてくれたように、娘にも人として必要なことを教えてくれるはず。
そう、信じて3人の子を育ててきました。
この本には、母としてのそんな想いがつまっています。
どんな反抗期を経ようとも、形が変わろうとも、母の想いは子供に伝わり、また伝わり、繋がってゆきます。
頑なな子供の傍らにそっと置いてあげましょう。
そんな時はおばあちゃんの出番かもしれませんね。