ナゲキバトとは、悲しげな鳴き声が名前の由来だそうです。
9歳で両親を亡くした男の子ハニバルは、父方の祖父に引き取られます。
こんな祖父がそばにいてくれたら、きっと亡くなった両親も安心して任せられたでしょう。
ハニバルは祖父ポップからたくさんのことを学びます。
ポップの言葉が私の胸にも深く深く入ってきました。
「愛は飢えた魂の食べ物だ。だから、みんなほしくて必死になるんだ」
ハニバルの唯一の友だちチャーリーは、とんでもない父親と住んでいて、その父親からの愛情が欲しいために、父親の言いなりになっています。そんなチャーリーのことをポップはこう言います。
「願いどおりにならなかったといって、神がいないということにはならない。だれの祈りも叶えてくれるなら、この人生にはたいして意味がなくなる。祈るなら、苦しいことの意味を理解するのを助けてほしいと祈るべきだ」
ハニバルが自分の不注意で、子牛を死なせかけてしまい、神さまが助けてくれないなら、二度と神様を信じないと言ったときにポップが言います。
「嘘を言うことでその嘘に命をやる。それを生かしておくためにまた別の嘘を言うはめになる。」
ハニバルが嘘をついたことを見破って、ポップはこう言います。
「返さないくらいの恩にできることと言ったら、いつまでもそれを忘れないで、まえよりましな人間になろうと努力することだけだ」
ポップがある兄弟と父親の話を聞かせて言ったことです。
まだまだ、ポップの金言が詰まっています。
ポップの言葉が心に沁みるのか分かりました。
想像を絶する悲しく残酷な経験をしていたからなのです。
ハニバルが大人になっても、ポップの言葉一つ一つがハニバルを支えてくれていて、心からよかったと思います。
ぜひ多くの子どもたちに読んでもらいたい本です。
これから大人になる前に知っていればきっと役に立ちます。
こんなに素晴らしい本に出会えて幸せです。