冥界伝説・・・というタイトルだったので、ゾクゾクするほどこわいのだろうか、と不安ながらも怖いもの見たさで読みすすめていったのだけれど、なんとまあ、可愛らしい子どものおばけに出会った。
アニメの‘おじゃる丸’よろしくやんちゃで憎めない。
子どもなので、霊力はさほどなく、友達になった人間の男子といたずらをして遊ぶ。
実はお使いに出たまま、主のもとへ戻れなくなった迷子だった。
なんとか、帰ろうと、人間の子と力を併せてみるが、そこは子ども、
結局大人の幽霊(?!)・・・に力を借りることになり、お仕置きをされ、許される。
あれ?これは誰かさんのことかしら、と思わずふふふ、と笑えた。
トトロもそうだけど、子どもにしか見えない世界がある。
大人からすると無駄に過ごすように見えて、しっかりと内面は充実した豊かな世界だったりする。
子どもの時だけ味わえる時間を大切にしてあげたい。
言葉遣いに平安朝の雰囲気があり、歴史モノというほど大げさではないけれど、時代の香りを楽しめた。