作者である湯本香樹実さんは、日頃から自分が持っている、時間に対する信頼と感謝の念がこのお話のもとであると言います。
ある日、仲良しのことりを亡くしたくま。暗く閉め切った部屋に閉じこもってしまいます。やがてやまねこと知り合い、新しい輝く時間を見つけていきます。
感動とか、切ないとか…そんな簡単な言葉では言い表せない絵本。
特にくまが森のなかまに箱の中のことりを見せるところ、その後、部屋に閉じこもってしまうところは、苦しい程に胸が痛くなりました。
誰もがこの絵本の中のくまであり、森のなかまであり、やまねこなんだと思います。
『くまとことり』ではなく、『くまとやまねこ』というタイトルがつけられているところにも、作者である湯本香樹実さんの時間に対する想いがこめられている気がします。