「くまとやまねこ」を読んだとき、
とても新鮮な感動を覚えました。
絵本から音が感じられたのです。
なかよしのことりの死に直面し、
生きる希望を見失ったくま。
すべての音を失ってしまったかのような
静の世界から物語は始まります。
しかし、やまねこに出会ったことで、
少しずつくまの心は開かれていきます。
くまの心の変化とともに、
物語は動の世界に変わり始め、
さまざまな音色が絵本から伝わり、
モノトーンだった絵に優しいピンク色が添えられるようになります。
音大出身の湯本さんと
幻想的な美しい絵を描かれる酒井さん、
二人だからこそ作り出せる素晴らしい世界観がありました。