この絵本は「かがくのとも」から出されています。人間が生きていく上で必要なこと、大切にしなければいけないことが、この一冊の中に凝縮されています。
近所のおばあちゃんがくれた88個のお手玉。これは「べいじゅ」を迎えたおばあちゃんからの「うれしさのおすそわけ」なのです。懐かしい柄の、色とりどりのお手玉で、子供たちはいろいろな遊びを楽しみます。そして春になり、ひとつのお手玉がほどけて、中から「おてだまのたね」がこぼれ落ちます。子供たちが植えたその種は、ぐんぐん伸びて花が咲き、緑色のさやができ、秋になり、さやは茶色になりました。
そして収穫されたお手玉の種(あずき)で、今度は食べられるお手玉(おはぎ)を作ります。
今度はそれを、お手玉をくれたおばあちゃんに「うれしさのおすそわけ」。
ひとつぶの小豆が大きく育ち豊かな実りをもたらし、それがどのように私たちの生活の中で関わっているのか、「いのち」はめぐっているんだよ、ということを教えてくれる絵本です。