この絵本を読む度に自分の幼い頃の体験を思い出します。
何度も母と一緒に行ったことのある近所のたばこ屋さん。毎週日曜日にはそこで食パンと菓子パンを買っていました。でも、ある朝、母に「一人でいってきてくれる?」とこの物語の主人公みいちゃんのように聞かれました。「えっ、うん、いけるよ。もう大きいもん。」でも、いざ一人でいくとなると不安で怖くて。ひとりでできると少し意地になりながら出発。ほんの短い距離でも一人で行くとなると慣れた道がぜんぜん違う通りに見えました。
この絵本は初めてお母さん、お父さんと一緒ではなく、一人で牛乳を買いに行かなければならない子どもの緊張のどきどき感、はらはら感、そしてビクビク感が手にとるように表されています。それに表紙に描かれたおつかいをしっかり達成して牛乳を抱えたみいちゃんのうれしい表情がとてもかわいくて印象的です。子どもの頃はもちろん、今でも私の好きな絵本のひとつです。