5才になる少女の「はじめてのおつかい」。
そのどきどきが伝わってきます。
そのおつかいは赤ちゃんの面倒を見ていそがしいお母さんに代わって牛乳を買ってくること。
「姉」としての自覚や責任感のめばえも感じさせて、内容にふくらみがあります。
好きなシーンは、お店についたのになかなか店番のおばさんに気づいてもらえないところ。
とてもリアルです。
「大人になる」ということは自分が世界の中心ではないと知ることでもありますよね。
最後に、お母さんが赤ちゃんと一緒に迎えに出てきている場面もじーんと来ます。
描き込みのしっかりした、あたたかい水彩画が内容にマッチしていて二重丸。平凡な日本の住宅地も、この作者の手にかかると美しい町並みに思えてくるところが不思議です。
自信を持っておすすめします。