これこれ、これです。私にとって『さるかに』といえば小さい頃に読み親しんだこの本なのです。子どもが小さいときに布団の中で「なにかおはなしして」と言われて語ったのもこれ。「はよう 芽を出せ かきのたね、ださんと、はさみで、ほじりだすぞ」というかにの言葉とか、「こしに つけとるのは、そら なんだ」「にっぽんいちの きびだんご」「いっちょ くだはり、なかまに なろう」「なかまに なるなら やろうたい」という掛け合いなど、テンポといい、響きといい、いいですねぇ。うつらうつらしている子どもにとっても何とも心地よいのです。
一つの文が読点で続いていて結構長いのですが、それがまた昔話のほわほわ〜んとしたちょっと間延びした感じを出していて良いのです。読んでいる方も「語っている」という気分が味わえます。
結構長いお話ですが、幼稚園児も飽かずに最後まで興味津々で聞いています。仲間が加わる時の掛け合いが同じセリフの繰り返しだったり、加わる仲間が変わっていたりするので、次の場面に対する期待が高まり、本から目が離せないのでしょう。
サイズの大きい本もありますので、読み聞かせにも向いています。幼稚園児から小学校低学年くらいにお薦めです。