フェルジナンドは、小さい頃から花が好き。
そして、大人になって、立派な巨体になってもやっぱり花が好き。1日じゅう、木陰に座って花のにおいをかいでいるのが好きなんです。
他の牛たちは、みんな闘牛場で戦うことを夢みているというのに...
でも、このフェルジナンドの母親がえらい。
そんなフェルジナンドを見て、「みんなと同じようにしなさい。」とは言わない。
フェルジナンドが寂しくないのだったら、フェルジナンドはフェルジナンドの好きなようにすればいいとそっとしておくのだから。
フェルジナンドと、うちの息子とがちょっと重なりました。
うちの息子も、1人でもくもくと遊ぶのが好きで、男の子よりも、女の子と遊ぶのが好きで...
親にしてみれば、普通の男の子ように、元気よくかけまわって遊んでほしいと思うのだけれど、なかなかそうはならない。
でも、よく考えてみれば、みんながみんな、闘いが好きというわけでもなく、花が好きで、花のにおいをかいでいたいと思う牛がいたっていいのです。
男の子だからって、男の子らしくしろ、なんて思うのは、親の勝手かな、と思ったりするのです。
フェルジナンドはフェルジナンドでいい。息子にも、そのままの自分でいいよ、と言ってやれる親でありたいと思いました。