懐かしい気持ちで、毎回開く一冊です。
牛と花という組み合わせに笑った小学生時代。
懐かしさと、黒一色のペン画に惹かれて開いた大学生時代。
この作品の出版されたスペインの時代背景(スペイン内戦)を教材研究していた時。
母になり、息子と一緒に楽しんだ時。
今懐かしそうに開いている息子に、「闘牛って、闘牛士と戦った後は、皆死んじゃうの?」と聞かれました。
「そうなんだよね〜」と答え、ふぇるじなんどの幸運を再び祝う気持ちになりました。
見返し以外は、ひらがな表現というのも素敵です。
長い間、愛されて来た作品の証です。
ふぇるじなんどのお母さんの息子のありのままの個性を受け止める姿が、やはり良い。
なかなかこうは、できません。
見守ることは、忍耐のいることです。
“戦うこと”と“花を愛すること”を対極に置く、当時の内戦へのマンロー・リーフさんの婉曲的な主張だという解釈もされた作品のようです。
が、やはり子どもに読む時には、“個性は大切に、ありのままの自分を愛しましょう”という解釈で私は読みたいと思います。