なによりいいなと思ったのは、おかあさんの態度でした。
はしゃいだりじゃれたりというような、子供らしいすがたを示さない、いつもひとりでいる我が子に対して『さびしくないのか』と心配してたずねてみる・でも、本当にさびしくはないのだ、この子はこれでしあわせなのだと確信できるおかあさん。
このおかあさんは、うしでしたが、よくもののわかったうしでしたので...といったようなくだりが素晴らしいです。
子供がほかの子たちと違った反応を示す時、それがなにか不安や辛さのサインである場合もあると思います。もちろん、それが個性である場合もあるでしょう。本当はそれがなんなのか、見抜けないことがあったとしても、子供本来の姿を母親としていつも受け入れようとしているという態度を示してあげることが最大で唯一、自分にできることなのかもしれないと思わせてくれる本でした。
個性的でありつづけるということは、現実には多くの場合、辛さを伴うこともあります。でも、「ふぇるじなんど」が最後までただただお花を好きでいつづけて、幸せであってくれたことに心からよかった...と思いました。