今日、6年生のクラスで読んできました。高学年にも読み聞かせに入りたかったのは、この本を読んでみたいと思ったのがきっかけだったのですが、泣かずに読む自信がなく、のびのびになっていました。このままでは卒業式に間に合わないので、意を決して読んだわけです。
まず表紙を見せて、絵をどう思うか聞いてみました。誰かに似ていると笑ったり、予想どおり「コワイ」「変だ」という声がでました。私自身もはじめはそう思ったことと、この本の経歴を説明してから読み始めました。(本当はそんなの説明しない方がいいのかもしれませんが。)
そして、水を打ったように静まりかえって聞いてくれました。拍手・・・・よかった・・・。涙は一応こぼさず読めましたが、口は曲がり、声はふるえてしまいました。
本の中で、「ちび」を見なおして手をたたいてくれる大人たちの絵のはじに、他とは違う色彩(「ちび」の着物の色彩と同じ?)の親子が描かれています。最近気づいたのですが、きっと「ちび」の母親と下のきょうだいなんでしょうね。
そんなところも再度見てもらいたくて、また一週間教室に置かせてもらってきました。
蛇足ですが、作者が亡くなった時の新聞記事に、経歴とともに「小林多喜二の死に顔を絵にかいた」ことが、たしか載っていたと思います。私は卒論で多喜二について書いたので、ドキッとしました。自分が無意識のうちに惹かれてしまうものには、通じるものがあるのだなあ、と思います。